母ちゃん、サンドバッグを目指す
一般的な、将棋を指さない方の「将棋」のイメージというとどういうものでしょうか。
私は……
・なんとなくかっこいい、強いと頭が良さそう。
・和服のおじさん同士がたたかう
・以前何かのTVゲームでやってみて、面白さがわからないまま投げ出した
・マリオと違って渋すぎる(当時のゲームの感想)
・静か
・ハブさんがつよい
・あんた、背中が煤けてるぜ
(よく考えたらこれは『哭きの竜』という麻雀漫画のセリフで、将棋とは全く関係がなかった。同じ漫画家さんが描かれている『月下の棋士』の勘違いでした💦)
……と、怒られそうな位の知識でした。いや、最近でいうと藤井くんという学生さんが強いのと、ひふみんというおじいちゃんが元気なのは知っていたかな。
あと株の株主優待で生活している桐谷さんが実は将棋のプロだった、というTVを見た記憶があります。
(当時のイメージなので敬称略)
知識でいってもそんな程度、ましてやプレイヤーとしての将棋力、棋力と言われるものはゼロかマイナスくらいの感じです。
しかし子供は本屋さんの遊び場に置いてあったくもんの将棋セット(駒の行き先が書いてあるやつ)に触れたり、旦那の実家の奥底で眠っていた将棋セットをみつけて、将棋に興味津々です。
幸い旦那が将棋をちょっと差した事があるので、なにやら教える事となりました。
当初「これはいいぞ」と思ったものです。
将棋なんて、かなり難しいパズルのようなものだろうから、成長期の子供にはプラスになる事が沢山あるでしょう。
また、仕事が忙しく平日はなかなか子供の相手ができない父親と、子供とが将棋を通じて師弟になり、また遊び友達にもなれる。なんと素晴らしい事でしょう。
そう思っていたのです。
子供はすぐに、将棋が気に入ったようでした。
傍目からみると、なにやら難しそうに思うのですが、一生懸命駒を触っています。
ただ誤算だったのは、
結局父親は仕事が忙しく、平日は帰りが遅いのは変わりません。
子供は将棋が指したい。
覚えたての対人ゲームを沢山やりたい。それはそうだろうと思います。
するとどうなるか。
「ママしょうぎしよう」
「しょうぎちょっとだけ」
「ねーしょうぎしよう」
「できなくてもだいじょうぶ、しょうぎしよう」
「いいからやって」
「ねー はやくやろう」
なんだこのしつこくて強引な人間は!!
なんという事でしょう、うちの場合は、子供と過ごす時間の長い私が練習台にならざるを得ない状況になってしまったのです。
子供の横暴さは、ご自宅に小さいのがいる方には理解されるのではないかと思いますが、全くこちらに配慮のない無茶をいうのと、とにかくしつこく、諦めません。
ま、言うても初心者なのは子供も一緒、サンドバッグぐらいにはなれるだろう、そんな軽率な気持ちで私も「駒の動かし方」をググりました。
その先がとんでもない広い沼地だとも知らずに。